黒木ちひろ 2024年2月21日の記録

自問自答を繰り返す。

目の前のことに取り組んでいくのは当然のことながら、本筋を見失っている気がする。
躁の私はわりと無敵だけど(笑)、鬱の私であっても闘えるように、今一度考える。

 

今回のホールワンマン、そしてその先のZeppプロジェクト、
なぜやるのか?

Zeppワンマンはこの5年間の約束だから。
それを「やめました」「無理そうです」で済ませるような生き様は想像が付かないから。

そうか。その先も私は生きていたいと、恥じない自分で生きていたいと思っているんだな。

 

なぜ、Zepp目標プロジェクトを始めたのか?

「黒木ちひろの歌はもっと広まるべきだ」
「届いていたら救えた命があるはずだ」

と伝えてくれた言葉が、私の心を大きく動かしたから。
信じてくれる気持ちが嬉しかったから。
そんな言葉を頂いておきながら、何もせずに漫然と、
今あるものだけに満足しているような生き様はやっぱり想像が付かなかったから。
そして大きく広める為には「プロジェクト」が有力だと思ったから。

そうか。私の動機はいつも、裏切りたくない、裏切るような自分では生きていたくない、それだけだ。
これだけの想いを頂いていることが奇跡だ。恵みだ。私ごときに。と思うのは、安定の自己評価の低さからか。

 

では、今、何が辛いのか?

「本当はやりたくないけれどやらなければならない事」は、それはまあ、たくさんある。

本当は、事務作業はすごく煩わしい。
やり始めた頃の方がまだ面白みがあった気がするけど、楽しさは減っていき内容ばかりが増えていく。
しかしそれは責任であったり、後々の自分に必要になることだったりする。
なのでやるしかない。
最低限にしてやるしかない。

 

本当は、人とのやり取りが結構だいぶ苦手。
嫌な人がいたりとかどうとかって話ではなくて、私にとってコミュニケーションというものは、
常に大量の選択肢を提示されていて間違えずに言動を選び取らなければならないような、
1つの言葉を送るのに毎回10以上の想定されるパターンを精査しなければならないような、
過度な覚醒や緊張感みたいなものを感じてしまうものなのだ。

では人と関わらなければいいのかというと勿論そうではなく、
一人でも多くの人と繋がりたいし、今は少しでも多く力をお借りしたいし、
誰とも繋がらないのは多分それはそれで普通に寂しい。笑
そして歓びや感動や動機をくれるのは、いつも人でしかない。
なのでやるしかない。
感覚をコントロールするのが難しいのなら、時間をコントロールしてやるしかない。

 

本当は、パソコンに向かって考え事ばかりをしていたくない。
頭はやはり必要以上に無駄に空回っていって、パンクする。
だけど、考えて整理して綺麗な道路にしなければ多分私は走れない。
それも染み付いた性格なので、一朝一夕に治るものではない。
散らかったままでは進めない。
なのでやるしかない。
進む為にやるしかない。

 

辛かろうが具合が悪かろうがウルセー脇目も振らずに進めよという私も勿論いるのだが、
人生の半分以上の時間で濃く染み付いてしまった鬱のトラウマが足枷になる。
鬱に完勝できたことは無いし、さらに根治させられると信じて治療することはそれ以上のトラウマだ。
私の22歳までの夢は鬱と決別して生きることだったが、その希望が折れた時に死にそうになった。
(『双極性障害』=緩和させて付き合っていくものだ、と言われたときです。)

それからは紆余曲折ありながらも共存することでここまで生きてきたし、
そもそも鬱の私というのがいなければ、その「誰かを救えるかもしれない音楽」というのも存在しなかったわけなので、
私の表現の本質の一つになっていて、煩わしくも根が深い。

 

で、うごめいている間に「本当はしんどいこと」に埋もれていって、
「本当にやりたいこと」を全然できなくてまた病んでいく。

 

じゃあ、本当にやりたいことって?

 

音楽を創りたい。

 

脳に余力を持って時間に空白を持って、曲を創りたい。作品を創りたい。
創作に向き合うことだけを考えたい。
創る瞬間はだいたい、最高だ!って思ってる。
自分に才能がめちゃめちゃある!って感覚よりは、
ああここに音楽があって、心があって、ああ手を繋げた!最高だ!って感覚。
剥き出しにした心に爪を立てて芯を削り出して、それが綺麗な玉になって、また心に戻っていくみたいな感覚。
ときめく。聴いてほしいと思う。
そしてまた音を鳴らす。
歌う。
届ける。

それが幸せだ。
これはそう。
はっきりそう言える。

 

はい。ではここで最初に戻ります。

本当はもうただただ創って歌っていたいだけで、引きこもり気質で、本質的には出世欲も持ち合わせていない私が、
ホールワンマン、そしてその先のZeppプロジェクト、やる理由は?

約束だから。
私の歌に力があるって信じてくれた言葉が嬉しかったから。
そう言ってくれる人に、今も出逢い続けているから。
返し切れないくらい、泣くくらい、私自身がたくさん救われてきたから。

 

で、それなのにしんどさに耐え切れず心が折れていく理由は?

 

ああ。そうだなぁ。

 

私の歌に力があるなんて、
本当は私自身が信じられていないからかもしれないなぁ。

 

私は、私の曲が好き。
私の目の前にい続けてくれるあなた方も、きっと私の歌が好き。

だけど天井を感じてしまう。
私や、そこにいるあなたや、手伝ってくれている人や、今すでにチケットを買ってくれている100余名。
軽んじるつもりはないです。奇跡みたいです。嬉しいです。
まだゴールじゃないけど、ここまでやって来てよかったなって思う瞬間がたくさんあります。
救われてます。私は。

 

で、私の歌は、本当に何かを救う力があるのでしょうか?

「救われました」と名乗り出てくれる人がいるかもしれないです。
実際に名乗り出なくても大丈夫です。ありがとう。
だけどそれって、同じクラスだったあの子が人生を変えてくれたとか、前の職場のあの人に救われたとか、
そういうものの延長じゃないだろうか。
路上で歌っていた子をふと見て元気を貰ったとか、ライブハウスで一期一会で良いものを観たなとか。
いやそれらのことが悪いというわけでは断じてない。大切な宝には違いない。

だけどその、頭一つ二つ抜き出ているわけではない溢れ返るアーティストのうちの一人を、
無理に扉の向こうへ押し出す意味があるのだろうか。

 

分からないな。
そうだよなぁ、分からない。
分からなくて当たり前だよな。

私まだ、扉を開いたことないしなぁ。

 

知ってるんです、一握りの天才は、開くべくして扉が開くんです。
(努力を甘く見るつもりはないです、でも若くして明らかに格が違うという天才に私も出会ったことがあるんです。)

そういうわけでもないのに、死ぬほどの努力でその扉をこじ開けようとすることに意味があるのか無いのか分からない。
分からないが、何はともあれ私はまだ、その先を見たことがないんだよな。
意味があるのか無いのか、それを見るためのところにも、まだ辿り着いたことがない。

 

Zeppプロジェクトは、扉なのか。

その先に。
私の歌が大きな力を持つ世界があるのかもしれないし、
ないのかもしれない。

なかったらなかったでいいよな。
私もあなたも人生は続いていくのだし、
私はきっとまだ当分創ることが好きなんだろうと思う。

あったら、すごくいいよな。
やっぱり同じクラスのあの子の延長の延長くらいなのかもしれないけど、
そこに命ひとつ、いや小さな夢のひとつでも多く紡げたら、それがすごくいいよな。

 

ホールワンマンやってなんなの? Zeppやってなんなの?
がむしゃらにやって、達成感覚えて、経歴作って、思い出作って、それがやりたかったことなの?
だれかにはそうかも。
でも私には違うかも。

 

私にとって、約束であり、恩返しであり、それからきっと。

ここまで生きさせていただいた人生の中でただひとつ、無理やりにでも開こうと決めた扉ということなんだよな。

 

 

はい。黒木さんが自分の走る道路を整える為にこれだけの長文が必要になりました。

綺麗事を語って物事が解決すれば訳は無いですが、
これから全てを具体的に解決していかなければなりません。

たくさん調子の良いこともするかもしれません。
へらへらすることも、あざといことも、するかもしれません。
強いフリも、綺麗なフリも、すごい人なフリも、するかもしれません。
倒れるまでやるつもりだし、やっぱり本当に倒れるかもしれません。

本当の私が分からなくなったら、どうぞここへ帰ってきましょうね。
これが、自分のことも大きな夢のことも信じることがとても苦手な私の迷いであり、精一杯の答えです。

それからどうぞ、音楽で出逢いましょうね。
これだけの長文に劣らない濃さで「本当」をぎゅぎゅっと詰め込んだものが、いわゆる歌詞です。笑

 

ところで、2019年にZepp目標を立ち上げたときに発表した「はじまりとおわり」という曲があるんですけど。
その歌詞がこちらです。

——

彼女の成功が僕を薙ぎ払ったように
僕の栄光は誰かを焼くだろうか
彼の偉業は多くを救ったけれど
僕の夢は何かを壊すだろうか?

——

ねぇ聞いて
僕は行こうと思います
この目に映る全ての
その向こう側

——

もう大体ここに書いてあることに帰ってくるじゃん。こわ。

だからこの曲は、「はじまりとおわり」なんです。
今に続く私の決意のはじまりであり、
きっと私は、最後までこの歌をうたいます。

 

ここまで読んだ皆さん、おつかれさまでした。
ありがとう。また明日。

 

2024年2月21日
黒木ちひろ

 


 

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